今、庭では、「ムラサキボタンヅル」という、
珍しいクレマチスが満開です。
「ムラサキ」とはあるけれど、濃い色合いではなく、
ほんのり赤紫がかる色合いですね。
日本各地に自生するクレマチスの原種「ボタンヅル」は白で、
それと比べると、確かに色がのっている。
優しいニュアンスがいい感じです。
来歴としては、青森県などに自生すると言われています。
「ボタンヅル」と「草ボタン」の交雑種と思われ、
幻の種類と言われる貴重なクレマチスで、もちろん、流通量はすごく少ないです。
庭に植えてから5〜6年は経っていますが、それがすごく
いい感じで咲いています。ナチュラルこの上なく、花が少ない今の時期にあって、
庭で立体的に存在感を発揮できるのは、重宝します。
植えてから1〜2年は花があまり咲かず、株を充実させている期間という感じでしたが、
それからは毎年、安定して咲いています。
通常のボタンヅルと比べて、節と節の間の距離が長く、
花も疎な感じで咲くせいか、全体的に軽さがあります。
簡単に言うと、葉で覆い尽くされ、向こうが見えない、
という感じではなく、ぬけ感がある、という感じです。
これは個人的にすごく好きな感じです。
とは言っても、生育旺盛で、枝は伸びるので、
鉢植えには向かず、庭植えで、枝を旺盛に伸ばせる環境が
しっくりきます。
そして、秋の黄葉も楽しめます。
低温にあたればあたるほど、その発色はよくなります。
ギザギザ感のある葉なので、緑の時からグリーンとして
雰囲気はあるのですが、秋にも魅力を発揮してくれます。
クレマチスのレギュラー格の品種たちが比較的おとなしい時期に、
その存在感を発揮します。条件が合えば、こういうのも、いいですよ。
人と違ったもので、庭づくりを、という方なども。